東京支部 東京カルチャークラブ活動報告(2023年2月10日)
東京支部で新しく誕生した東京カルチャークラブ、その第1回活動行事として、国立科学博物館を訪問しました。
国立科学博物館は1877年(明治10年)に創立された、日本で最も歴史のある博物館の一つであり、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館です。
コロナ過前の2019年には、年間250万人以上の入館者があり、標本・試料数は、230万点を誇ります。
上野本館は、日本館、地球館、それと特別展と3つの会場があり、1日ではすべてを見学することはできない規模です。
今回は、特別展、地球館の一部を見学しました。
今回訪問した特別展「毒」は、昨年11月1日から本年2月19日まで開催され、既に来場者が20万人を突破した人気の特別展です。
2月10日金曜日、関東地方は朝から雪が降り、そのため参加予定の龍さんは、大事を取って別の日程で訪問することに急遽なり、尾崎さん、横山さん、横浜さん、石川の4名での訪問となりました。
雪のため来場者は少ないと思っていましたが、ものすごい数の来場者に驚きました。
人間を含む生物に害を与える毒、その毒に対して、多くの視点から研究者が深く掘り下げ、国立科学博物館の豊富な展示資料と合わせて解説されておりました。
植物では、根・茎・葉を守るために毒を使ってそれらを外敵から守ろうとしています。
逆に動物に食べてもらって種子を運んでもらう植物は数多くあります。
未熟な果実には毒を含ませ、熟すまで食べられないようにして、熟すと動物に食べてもらうために毒性をなくし、甘みを増やし、見た目にもおいしそうに変化させます。
生き残りに毒をうまく利用しています。
動物は身を守るためだけでなく、獲物を得るために毒を用いることもあります。
古くから毒は人間にも利用されており、時には武器として、また薬としても利用されてきました。
獲物を取るために毒を活用したり、快適な生活のために、例えば蚊取り線香のように毒を利用してきました。
食文化では、本来は強い毒のため食べられないものも、毒を除去、もしくは無毒化することで、食材として活かしてきました。
ふぐがそのよい例です。
鰻も有毒動物で、血液と粘膜に毒を持っていますが、加熱することで無毒化され食べることができます。
毒のイメージが強いヒ素、クロムなどは、体内では何らかの働きをもつ必須の元素と言われています。
不足すると欠乏症になり、過剰摂取すれば中毒になり、まさに毒にもなり、薬にもなるのです。
“あらゆる物質は毒になる。毒か薬かは使う量による。”
アルコールも体にとっては毒です。
しかし、適量であれば、薬にもなります。
まさに、毒か薬かは使う(飲む)量によります。
そんなことを考えながら、見学後は上野で懇親会を開催して、毒展の感想、近況報告などで盛り上がりました。 石川(記)