第22期年次総会 社長講演(抄録)(2017/10/26木)

 

堀場製作所OB会第22期年年次総会 堀場会長兼社長 スピーチ抄録
2017年10月26日(木)15:00~15:45

年次総会の開催おめでとうございます。
さて、新聞発表や先ほどご紹介もありましたが、来年2018年1月1日に、HORは、社長を交代し足立正之社長の下で新しい体制となります。私自身は、会長としてグループ全体のCEOとなり、現副社長の齊藤氏は副会長としてグループ全体のCOOでグループ経営を見ていくことになります。
半導体市場等が急拡大成長していく中で、競争の原理を働かせ、足立新社長にはグループ会社の1社として経営を任せ、手腕を発揮していただくことになります。従業員の7割が外国人、売上の6割以上が海外を占めている中、実行部隊の責任を明確にし、ガバナンスを含めてきっちりと対応していきたいと考えています。
自分が社長に就任した1993年の業績として売上は350億円、現在は、1,800億円と5倍以上に拡大しています。リレー競争と同様に最もスピードが上がっているときにバトンタッチしたい、というのが私の思いです。社長になって、25年、期間的に4半世紀が一区切りとなります。

さて、2017年1月から最近までの会社トピックスを写真で紹介していきます。
1月は、HORの創業製品であるpHメーターを含め、液体計測事業をHATに集約し、スタートさせました。従業員250名を超える体制で、売上200億円を目指しています。この結果、利益の良いPH等の製品群がなくなって、HOR科学の部隊がこれから自力で戦わなければなりません。
また、皆さんの馴染みのある2,3,8号館の解体式を挙行いたしました。
2月には、STEC阿蘇工場拡張のための起工式を行いました。
また、経済産業省から健康経営優良法人として認定していただきました。業績を上げながら、社員の健康にも配慮する活動を地道に継続している結果を評価していただいたものと思います。
5月には、HKの新社屋が完成し、起工式を行いました。韓国市場は、現代、サムソンなど非常に大切な市場です。SKLも新工場で稼働を開始しています。韓国でのオペレーションは一体化していますが、特に、SKLは半導体分野で大きく貢献しています。
また、同じく5月には、E-HARBOR竣工1周年イベントが開催され、大津に移ったホリバリアンがシンボルマークを人文字で表現してくれています。工場見学者は1年足らずで5,000人に上り吉祥院の見学者をはるかに超えてきています。見学者は、ユーザーのVIPクラスが多く、淀みのない生産ストリーム、協力会社との関係など注目されています。投資を決意した5年前は1US$=89円と円高でしたが、現在は115円と円安になっています。どのタイミングで投資を決定するか、ユーザーに対する供給力を増強させたことにより追加発注を頂くなど好転しています。経営は、タイミングの良さが非常に重要になっています。また、単なるサプライヤーから重要なパートナーとしての立場となり、ユーザーにとって重要な役割を発揮するようになりました。単に製品性能や価格面だけではなく、事業のオペレーションそのものを評価されるようになってきました。
7月は、グループ洛楽会としてフランス・イギリスの研修旅行を実施し、現地の独自のビジネスやマネジメントの状況などを見学していただいた。5年に一度は海外で研修旅行を行い、共同体としての認識をさらに深めていただいています。
同じく7月にイギリスMIRA社で新しく試験センターを開設しました。EU離脱問題で揺れるイギリスだが、投資を継続しています。買収後に40億円近くを投資し、買収額の160億円と合わせると総額200億円の投資となっています。MIRA社は、自動運転技術やバッテリーチェックなど自動車関連の幅広い技術を持っています。排ガスやセキュリティ技術などを追加してトータルビジネスとして展開しています。ジョージ社長とは10年前買収したドイツのシェンク社の元幹部で、個人的信頼関係も厚い。
8月には、MEXA-7000の最終出荷式を感謝の念を以て感慨深く行いました。
9月にはテキサス・ヒューストンは大きな洪水がありましたが、我々の環境計測事業の新工場は幸いにも被害はありませんでした。ラッキーでした。ブラジル子会社では同月に20周年の式典を行いました。ブラジル レアルの為替の問題はありますが、旅客機を作れる技術など非常にポテンシャルのある国と考えています。
HTW(台湾)の移転セレモニーも開催しました。STECを中心に半導体市場向けなど好調です。台湾では製品のセグメント別に都合の良い販売チャンネルをバラバラと作ってきましたが、今後はHTWを中心にうまく機能するように改革していきます。E-HARBOR移転により技術の遷宮を行うことによって、技術の継続性や積み上げが大切なことが認識され、大きな会社のテーマに定着してきたことが非常に良かったと考えています。
最近は技術の潮目が変わってきて、技術開発のスピードが一段と速くなり、それとともにグローバル市場に迅速に対応していくことが何をおいても必要と考えています。会議などで意思決定する方式から即断即決をしていくシリコンバレーのタイプに移行しないと大きく差が出てきます。ここ2,3年で変革できるかが事業の勝負であると考えています。
最後に、社外の会議で、次のように声を掛けられ、たいへんにうれしく思いましたので報告しておきます。
「堀場製作所OB会の方々が鴨川クリーン活動にボランティアで貢献されています。素晴らしい会社ですね」と。これからもお元気でOBとして社会貢献をよろしくお願いします。(抄録)

堀場社長1